2016年11月22日火曜日

#501のブランディングを考える〜いまこそ Made in U.S.A.を

 スティーブ・ジョブズが生前プレスカンファレンスでユニフォームのように常用していたリーバイス501XX、高円寺の古着屋で程度の良いヴィンテージものを買おうとすると数十万円近くの値がついているものもある。
 ただし、これらの超高値のヴィンテージ商品は、50、60,70,80年代にノースカロライナ州グリーンズボロに拠点を置くコーンミルズ社製のデニム生地Shrink-to-Fit(セルビッジ)を使用し、アメリカ国内で縫製された「Made in U.S.A.」である。(※2000年代の初期、バングラデシュ、フィリピンなどのアジア諸国に生産のすべてが集約されている)

 ドナルド・トランプが先般次期大統領に当選したことを知ったときに、頭にまず浮かんだのは「リーバイスの501の生産はアメリカ国内に戻すべきだ」という私の裡なる思いだった。トランプが公約した「国内に雇用と産業を取り戻す」政策の象徴的なサンプルになるような気がしたのだ。いまのアジア製に大きな問題があるわけではない。
 しかし、6,7年前に近くのダイエーでフィリピン製の501を2本買ってしばらく履いていたのだがけっきょく捨ててしまった。微妙な肌合いがヴィンテージものと違うような気がしたのだ。
 先入観でそう感じるだけじゃないの、という向きもあるかも知れないが、やはり微妙な差を感じることはいかんともし難い。

 商品のブランディングが大きな変革期にあるのではないか。いや、多分より大きく二極化してゆくのではないか。<価格追求型>と、<こだわり型>へと。後者のマーケティングに501は入るのは間違いない。糸にこだわり、生地にこだわり、縫製にこだわる。その積み重ねとして弾き出されたプライスに文句を言う者は出てこないだろう。
 1976年にスミソニアン博物館の永久コレクションに加わった501XXがほんとうの意味で復権するにはいま一歩、リーバイスのブランディング変革が必要だと思うのだ が、、。


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