2016年12月19日月曜日

アマゾンとローソンの実証実験をTVで観て

「アマゾン・ゴー」というコンビニ型の試験店舗での実証実験を、アマゾンがシアトル市内で始めたことがTVで報じられた。入店時のスマートホンをゲートにかざしてのログインから陳列棚から商品をピックアップして、自動精算(その場での精算ではなく、アマゾンアカウントでのクレジット決済、と推測)、店舗外へのログアウトまでが簡単に紹介されていた。
 近くのセブンイレブン、昼どきに行こうものなら、レジ前に10人近くは簡単に並んでいるという煩わしさを考えれば、そうとうに便利になりそうな期待というか、予感はする。ひょっとすると次世代のコンビニ革命はアマゾンが担うのではないか、と。
 ネット記事によると、AI(人工知能技術)、画像認識技術、センサーフュージョン(複数のセンサーからデータをインテリジェントに組み合わせる技術)などの複数の要素技術を駆使したアマゾンの独自開発による。

 一方、ほぼ同じ時期に、ローソンが経産省の支援を得て、パナソニックとの共同開発で無人レジシステムの開発中と、アマゾンの次世代型コンビニと対比させる形で報じられた。両者の対比を見て、「アマゾンに敵うわけがない」というのが率直な感想だった。

 まず、ローソンから。いまの実店舗ローソンから単にレジ要員をはずしてその部分を自動化しただけ。19世紀から描いた21世紀を見ているような、そもそもの「革新化」のレベルが極端に低いように見えた。
 そもそも「客側にストレスなく購入させる次世代型コンビニをどう構想すればよいのか」という本質的な議論があったのか、なかったのか。いや集団の議論というより、創造力をもったプロジェクトマネージャーが存在しているか。

 日本型のこの種の「次世代型」実証実験にありがちな、国の主導のもと、複数の企業から集められた「ふつうの技術者」たちによる多数決の集団開発体制、ここでは責任の所在もおぼろげになりがち。私の裡にはこの種の諦念とでもいうべきものが長い時間をかけて蓄積されている。
 ニュースを見ていて、この諦念を打ち破りそうなものを垣間見ることができなかった。ローソンの方のシステムがグローバル化することはほとんどないだろうし、日本のあるローカルで寂しく実施され、やがて消えていくような気もする